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オランダ観音(流山の民話)

野馬堀とは、野馬たちが民家のある地域に侵入したり、田畑を荒らすことのないように柵や囲いの役割を果たしていました。下総台地一帯の野馬堀は船橋方面から人家地域を囲うように走り、それはまるで小型の万里の長城のようでした。市内では平方新田、上新宿、十太夫、駒木、松ヶ丘、野々下などがありますが、特に十太夫付近は原型をとどめています。

【オランダ馬の悲話】
延宝4年(1676)江戸初期の頃から幕府は品種改良の目的でオランダから葦毛の三歳駒を輸入しました。この葦毛馬はさっそく上野牧に放牧されましたが、気候や風土の違いから小柄な日本馬ともなじめないまま気質が凶暴になり、野馬堀を一気に超え作物を食い荒らし、人にも危害を及ぼすようになってしまいました。これを見かねた牧士頭は勢子を動員して駒を追いよせ狙撃してしまいました。傷を負った葦毛馬は四苦八苦の末、日頃住みなれた十太夫新田の沢にたどりつき、そこで水を飲みながら息絶えたとされています。その哀れな姿に村人や狙撃した牧士たちは、馬を哀れみその霊を慰めるためにその近くに祠を建てました。

住所 流山市東初石5丁目